新しいプログラムであるGlobal Sales Boot Camp(以下SBC)を2月下旬に初開催しました。SBCは、自らのセールス力をアメリカで試し、グローバルでの成功に欠かせないマインドやスキルを実践的に伸ばすプログラムで、今のアメリカにおけるセールス・マーケティングのリアリティを体験できる様々な実践的なセッションを用意しました。今回のSeattle Watchでは、その内容を少しご紹介していきます。
SBCはオンラインセッションとシアトルでの集中セッションの2部構成になっています。前半のオンラインセッションでは、異なる価値観や思考パターンをもつ海外の相手との対話の基盤となるクロスカルチャーの理解を促すセッション、自分自身や自社商材を魅力的に売り込むための英語でのコミュニケーションスキルを高め、自社商品の英語のプレゼン資料を洗練させるセッション。さらに、リモートトラストやソーシャルセリングを加速させるために、LinkedInプロファイルのブラッシュアップ支援を行いました。
なぜ、LinkedInのプロファイルがグローバルセールスに関係あるのかと思った方もいるかもしれませんが、米国のセールスでは、ソーシャルセリング(SNSを通じて見込み客と信頼関係を深め、自社商品の購入に繋げる営業手法)が既に当たり前になってきています。実際、ソーシャルセリング実践者は非実践者と比較して、販売機会は45%、売上目標達成率は51%、営業成績は78%も高い成果を出しているというデータもあります。そのため、ソーシャルセリングで最も活用されているLinkedInのプロファイルを充実させることは、見込み客からの興味や信頼を得るためにとても重要になってきています。
LinkedInでは、ソーシャルセリングを成功させるためのツールとして、見込み客を簡単に見つけてつながることができるLinkedIn Sales Navigatorや、それぞれの営業担当者のソーシャルセリングのパフォーマンスを定量化するSocial Selling Index (SSI)といった指標を提供しているので、こうしたツールに適応して使いこなすことができるかも、グローバルセールスを成功させる上で必要なスキルになってきています。
シアトルでの集中セッション(4泊5日)では、米国のセールスやマーケティングの最前線で長年活躍している実務者からのインプットを受けながら、現地企業との商談に向けた営業プレゼン資料の磨き上げやセールスピッチの練習を行いました。特にB2BセールスとB2Bマーケティングに焦点を当ててプログラムをデザインしました。次に実施したセッションのいくつかをここで紹介したいと思います。
Reality of US Sales Session
米国の大手テック企業などで20年以上にわたってセールス活動に従事している現役のトップセールスパーソンから、米国でのB2Bセールスのリアリティについて学ぶセッションです。米国では、どんな相手からも”What’s in it for me?” (それって私にどんなメリットがあるの?)と問われることが多く、こうした商習慣の違う相手から信頼を勝ち取るためのスキルや、見込み客の潜在的な課題やニーズを引き出すためのSPIN話法などのテクニックを実践的に学びました。
Data Oriented B2B Sales Session
データを駆使したデマンドジェネレーションを得意とするB2Bのセールスとマーケティングのエキスパートから、データドリブンなセールスの手法やさまざまなセールステックのツールの使い方について学ぶセッションです。ICP(Ideal Customer Profile)と呼ばれる理想的な顧客のペルソナを設定して、プロスペクティング(潜在顧客を探して見つける過程)を行い、見込み顧客にパーソナライズされたメッセージでコンタクトするアウトリーチまでのプロセスを、様々なセールステック・ツールを使うことでどこまで自動的に、かつ効率的に行うことができるかについて学びました。
B2B Marketing Session
ABM(Account Based Marketing)とPartner Marketingを大手テック企業で実践しているマーケターから、米国のB2Bマーケティングの最前線について学ぶセッションです。マーケティングインテリジェンス、オーディエンスセグメンテーション、ペルソナ、カスタマージャーニー、パーソナライゼーションといったごく基本的な内容が如何にB2Bの世界でも重要に捉えられているかから始まり、ABMやPartner Marketingを効果的に実施するための戦略や具体的なアイデア、そして注意点について、ケーススタディーにも触れながら学びました。
今回のプログラムを運営する中で、特に感じたことが2つあります。1つ目は、いかに魅力的な人間に見せられるかです。今回招聘した講師たちが口を揃えて言っていたのは、“Why Should I buy from YOU?” (なぜあなたから買わなければいけないのか?)という一言です。これは、B2Bの顧客もセルフサービス型の購買体験を好むようになる中で、営業担当者とわざわざ対面で会って商材を買いたいと思わせるには、営業担当者自身を魅力的な人間であると思わせて、その人から買いたいと思わせられるかがますます重要になってきているということだと思います。
もう1つは、アンラーニングの重要性です。日本で長年営業の経験を積まれて、多くの成功を収められてきた人にとっては、今まで積み上げてきたセールスのアプローチを一度忘れて、商習慣や文化の違う相手に合わせたアプローチに適応することは、とても難しいことです。だからこそ、現業から離れたシアトルという異なる環境に来て、意識的に学びほぐし(アンラーニング)を行い、新しい知識やスキルを身に着けることに価値があるのではないかと再認識しました。
Webrainでは、今年の5月からGlobal Sales Boot Campの実施を予定しております。より詳しい情報をご希望の方は、下記の特設ページをご覧いただくか、弊社までメールにてお問い合わせください。
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