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  • Toshi Akashi

Issue 142 - Haptic Intelligence Technology Part 1

今回は「Haptic Intelligence Technology」というレポートの紹介になります。これまでWebrainでは5感のデジタル化について注目をしてきました。このレポートでは触覚のデジタル化に焦点をあて、押した感じや触り心地などの触覚の再現の進化について追いかけています。また、この触覚をテーマにした日本能率協会様主催のセミナーについても末尾にてご案内しております。ご興味のある方は、奮ってご参加ください。

 

新型コロナの影響で様々なイベントがオンラインになり、オンライン会議も当たり前になってきている中で、Webrainでは、昨年「The New Normal: The Social Distance Economy」というタイトルのレポートで、様々な業界でのリモート技術の発達について解説をしました。さらに「Sales Tech: Data-enabled Trusted Engagement」というレポートでは、これまでの対面での営業や交渉ができない中で、新しい技術やツールを使った営業活動とエンゲージメントに注目し紹介を致しました。


この2つのレポートを通じて我々が再認識したことは、どんなにリモート技術が進化しても同じ場所に居なければ、その現場が醸し出す「臨場感」はなかなか伝わらないということです。そして、この感覚は視覚や聴覚だけで生み出すことは難しく、体感という「触覚」を伴った感覚も重要になってくるのです。もちろんこれだけですべての臨場感を伝えることは難しいですが、今回はその「触覚」のデジタル化について着目することにしました。


皆さんは触覚という感覚の発達度合いについてご存じですか?今回のレポートの調査をするまで私も知らなかったのですが、触覚は我々人間が生まれて最初に身に付ける感覚であり、触覚研究者の仲谷正史氏によると、妊娠10週目から母体のお腹の中で既に触覚の学習が始まっていると分析されています。 https://www.toshin.com/sekai/interview/16/


さらに調べていくと触覚は他の5感と比べてとても複雑な感覚であり、単に皮膚に触れる感触だけでなく、皮膚の下に点在する感覚ニューロンによって振動や圧力なども感じることができ、それによって様々な物質の硬さ、温度、重さ、形などを瞬時に認知することができるのです。 https://www.researchgate.net/publication/26867861_Haptic_Perception_A_Tutorial


この触覚のデジタル化において皆さんが最も身近に感じるのが、日常的に利用しているスマホやタブレットのタッチインターフェースかと思います。これまでのマウスやキーボードを使った操作から進化して、平面のスクリーンを指で触れることで様々なコマンドをコンピューターに入力できます。キーボードの画面をタッチする際にキーボードを押す時と同じような音が鳴ることで、押したときの触感を代用する機能も搭載されています。


このようなタッチインターフェースの登場は我々のデジタル機器の操作方法を大きく変化させてきましたが、一般的に利用されているスマホやタブレットには、まだ押した感じや触り心地といった実際の触覚に作用するような技術は広く実装されていません。


しかし、色々な企業がその実装への研究を進めています。シカゴにあるTanvasTouchが開発しているハプティック技術は、内蔵されたマルチタッチセンサーと同社の技術の組み合わせで表面摩擦を変化させ、滑らかな表面やざらざらした表面の触覚を再現することができます。将来、このような技術が普及すると、我々がオンラインで購入する際に商品の触り心地を体感できるようになる可能性があります。 https://tanvas.co/products/tanvastouch-dev-kit


また、サンノゼにあるImmersionでは、触感、力感、それにクリックなどの感覚を、タッチパネル上のボタンやダイヤルで正確に再現する技術を開発しています。同社では、この技術を使って視線を前方からそらすことなく触覚を使って車載システムの操作を安全に行える方法を提案しています。 https://www.immersion.com/automotive/


今後、触覚のデジタル化によって、我々が日常的に接している機器や家電のインターフェースが大きく変わる可能性があります。商業デザイナーはボタンやダイヤルなどの操作パネルをそのデザインの中に埋め込んだり、空中で操作できるようになり、例えばキッチンなどの限られたスペースを有効利用できるようになることが予測されます。


触覚は、最初にお話ししたように生まれて一番最初に身に着ける感覚であり、我々の生活を支える上でとても重要な機能を担っています。今後の触覚のデジタル化が進化するにつれ、我々の日々の生活の中で触れるものすべてが、SF映画で描かれているような未来のインタラクションの世界へと一気に進むのかもしれません。

 

<触覚のデジタル化を支援するプレーヤー>

Tanvas(https://tanvas.co/

イリノイ州シカゴにあるTanvasが開発しているタッチ・ハプティック技術は、タッチスクリーン上を触った時の手触りや触感をプログラムできるようデザインされている。ソフトウエアの設定によって硬い断面、クリック感、繊細なテキスチャーなど滑らかな感覚からゴツゴツした感覚まで、豊かな触感を作り出すことができる。TanvasTouchと呼ばれるハプティック技術は、サードパーティーのディスプレイにも組み込み可能で、同社のソフトウェア以外に特別な装置を必要としない。

Immersion(https://www.immersion.com/

Immersionは、低消費電力の触覚フィードバックを民生機器に提供しており、同社の技術は、ゲーム機のコントローラー、携帯電話、ウェアラブル、自動車用インターフェースなど様々なコンシューマー機器に導入されている。同社のActive Sensing Technologyは、アクチュエータに送る電力量を調整することで、ハードウェアごとの違いを補い、パフォーマンスの一貫性を得ることができる。


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