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Webrain Reports Archive
#234 - Biodiversity and Nature Positive: Nature Tech for a Better Planet
生物多様性は、気候や土壌を含む環境の安定、観光を含む人間の文化や教育、植物・動物・微生物の生息地、食糧・木材・医薬品の供給といった役割を果たしており、人類にとって不可欠な存在である。実際、Boston Consulting Groupでは、生物多様性の経済価値は、年間150兆ドル以上(世界の総GDPの約2倍以上)に相当すると報告している。しかし、私たちの経済活動が引き起こしている生物多様性の損失や生態系の崩壊は、より深刻で大きな脅威として認識されている。このような中で、生物多様性の損失を止め、反転させることを意味するNature Positiveを目指す動きが世界中で活発化している。そして、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)などの国際的な枠組みの整備が進むにつれて、企業も生物多様性への取り組みを余儀なくされている。今回のレポートでは、生物多様性をめぐる最近の動きについて考察するとともに、生物多様性の回復・保存に資するNature Techを、「生物多様性モニタリング」、「インパクトとリスクの評価」、「保全と再生」、「ネイチャー・ファイナンス」の4つのカテゴリーに分けて紹介していく。生物多様性は、非常に複雑な問題であるため測定や定量化が難しく、資金拠出の点でも課題が残っている。しかし、Nature Techを上手く活用しながら、より長期的な視点で取り組むことができれば、さまざまなビジネス機会をもたらしてくれる可能性がある。
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