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Webrain Reports Archive

#211 – The Emergence of Civic Tech

スマートシティーの概念は何十年も前から構想されてきた。Webrainは2018年のレポートの中で、スマートシティーの傘の下で議論されている多くの要素が、実際には市民のニーズや期待に迅速に対応(レスポンシブ)できる街を作るという究極の目標への第一歩につながるということを解説した。しかし、最近になって計画どおりに進んでいないスマートシティープロジェクトの事例も出てきている。GoogleのSidewalk Labでは、トロント市の190エーカーの地域をスマートシティー化しようと計画したが、実際に認可が下りたのは12エーカーのみの地区となった。その主な理由は、市民のプライバシーデータの利用への反発からくるもので、人々が生活する街の組織運営に営利企業であるGoogleが深く入り込もうとしたからである。(同社は、2020年5月にこのプロジェクトからの撤退を発表。)このようにスマートシティーのプロジェクトで問題が起こり続ける原因のひとつに、プロジェクトの目標が本来実現すべき目的に対して適切に定義されておらず、本当に市民が必要としているサービスにその焦点が当たってないことが挙げられる。特に重要になるのが、市民の関与(エンゲージメント)と市民への権限譲渡(エンパワーメント)である。自治体のリーダーたちも、スマートシティーを推進するためには市民ファーストで進めることが重要であると気づき始め、市民が地方自治により深く参加することを可能にするイノベーションをシビックテックという言葉で表現するようになってきている。今回のレポートではシビックテックの様々な動きを紹介しながら、テクノロジーがいかに自治体と市民のエンゲージを支援しているかと見ていく。