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Webrain Reports Archive

#203 – A Scent for New Intelligence

嗅覚は五感の中で最も理解されていない感覚であると指摘されており、匂いは微粒の浮遊分子であるために技術によって模倣することが難しいとされてきた。2012年に、IBMは人間の五感が5年以内にコンピューターによって提供される可能性があるという予測を発表しているが、その期限を過ぎた現在でも匂いを正確に生成し探知するといった技術は確立されたとは言い難い。興味深い機能をもつ嗅覚は、人類の祖先にとって生き残るために重要な能力であり、今日でも私たちの感情と記憶に深く関連している。マーケッターは匂いがもつ可能性を理解しており、嗅覚によるマーケティングが小売店舗の売上を増加させることはデータでも示されている。デジタル嗅覚技術の市場は、2017年に約3,200億ドル規模となり、2026年までに3兆1,200億ドルに到達すると予測されている。この大きな成長は、国防、セキュリティ、医療、食品飲料分野における同技術の応用によって牽引されている。過去のWebrain Reportでは、触覚、味覚、音声(聴覚)、視覚を技術によって模倣することについて紹介してきた。今回のレポートでは最後に残った嗅覚について分析を行い、匂いにおける理解、デジタル嗅覚技術の活用事例、将来的な嗅覚技術の可能性について紹介している。Webrainでは、この新しい動きをA Scent for New Intelligence(新たなインテリジェンスへの手がかり)になると考えている。これによって人間は、より安全で便利な社会を実現するために匂いのデータを分析する能力を身につけ、これまでにない洞察力や知見を獲得できると信じている。