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今回は、「Sales Tech: Data-enabled Trusted Engagement」というレポートの1回目の紹介になります。コロナ禍で対面での営業が制限される中、営業担当者はどのようにして顧客の信頼を獲得し、頼れるアドバイザーになることが出来るでしょうか?その実現のためにセールステックと言われる営業活動を支援するテクノロジーに注目が集まっています。

Issue 124: Edible Intelligence: Data-driven AgriFood Revolution - Part 2

米国で生活していると良く耳にする言葉の中に「Let the buyer beware 」があります。これは売り手は買い手を騙そうとするので、買い手はしっかりしなくてはいけない、すべて買い手の自己責任であるという売買上の注意喚起のような文言です。


この言葉から解るのは、買い手はより信頼できる売り手を選ぼうとする傾向が高く、逆に営業担当者は買い手の信頼を勝ち取ることが、ますます大切になっているという現実です。営業活動は良くハンティングに例えて表現されることがありますが、一度狩ってしまえばその後のアフターケアに無関心な営業担当者が昔は多かったからだと思います。


では、どうやって信頼を獲得するか?これまでは何度も相手と面談して時間を掛けて信頼関係を醸成するのが一般的だったと思いますが、昨今のデジタルツールの進化により、セールス活動も大きな転換期を迎えています。今回は、デジタル時代の新しいセールス活動に関わるテクノロジーに焦点を当てた、「Sales Tech: Data-enabled Trusted Engagement」というレポートの紹介になります。まず前編としてセールステックの全体像を紹介し、次回はこれらのツールがどのように利用されているか事例をいくつか紹介したいと思います。


すでに営業活動の中では当たり前のことですが、Webrainでは「頼れるアドバイザー(Trusted Advisor)」という言葉に改めて注目しました。セールス活動で会社の売上を上げるためには、お客さまにとって頼れるアドバイザーになり、商品やサービスを通じて末永い信頼関係を持続することがますます重要になってきているからです。この背景にはサブスクやSaaSモデルが普及したことがあります。Retention Rate(顧客継続率)やLTV(顧客生涯価値)といった指標が重要視され、カスタマーサクセスが問われるのも同じ発想だと思います。


営業担当者の長年の経験や勘だけに頼らず、様々なデータを効率よく積極的に活用して営業効率を高めたり、新人の営業担当者でも短期間で顧客との信頼関係の醸成を支援するために、最近注目されているのが、このタイトルにあるセールステックという新しい領域なのです。


テック系のメディア企業であるMarTech Allianceではこのセールステックを、「営業担当者が自らの時間と顧客に関するインテリジェンスを、可能な限り効果的に活用できるようにすることで、セールスにおける生産性を加速・向上させるためのツール群」と定義しています。
https://www.martechadvisor.com/articles/sales-enablement/top-10-sales-tech-trends-for-2020/


また、セールスの予想分析ソフトを開発しているRegieのCEOであるJeff Winters氏は、企業が持つリソースには常に制限があることを踏まえて、「どんなに勢いのある会社も資金と時間には限界がある。そのため導入するツールは限られたリソースを有効活用することが大事で、決してセールス活動をさらに複雑化するものであってはならない。」と述べています。
https://www.entrepreneur.com/article/336364


それぞれの企業の事業規模に合わせてセールステックへの投資が可能な時代を迎えており、それらを用いて営業担当者が顧客のニーズを常に把握し、相談相手のように寄り添うことができる時代が来ています。私が幼い頃の商店には裏の勝手口から馴染みの業者が自由に出入りして、在庫状況を把握しながら店主に寄り添って営業をしていました。セールステックは、デジタル世代の勝手口とも言えるかもしれません。


Toshiro Akashi, Editorial Team

<営業担当者を支援するセールステック企業>

Outreach (https://www.outreach.io)
Outreachのプラットフォームは、顧客のライフサイクル全体を通して顧客との対話を最適化している。同プラットフォームは、機械学習を用いることですべてのメール、音声、ソーシャルメディアに対応しており、ユーザーが適切なアクションを取ることを支援している。例えば、最適な結果を得るために、見込み客へのメールや電話の優先順位を作成することができる。また、それぞれのキャンペーンの進捗状況、詳細、内容、および得られた結果を表示する。さらに、コンテンツをパーソナライズする方法の一つとして、メールに反応があった見込み客には、そうでない見込み客とは異なる内容のメールが返信される仕組みもある。

Bigtincan (https://www.bigtincan.com)
Bigtincanが開発するセールス・イネーブルメントの自動化プラットフォームは、営業担当者が顧客や見込み客とより効果的にエンゲージメントし、セールスチーム全体が最適なセールス手法を採用することを支援している。このプラットフォームは、オンボーディング(新人育成)、トレーニング、コーチング、カスタマーエンゲージメント、そしてフォローアップのためのツールを提供している。また、セールスやマーケティング部門のマネージャーに営業チームの取り組みについての洞察力を提供し、パフォーマンス評価やより効果的なセールス手法の構築を可能にしている。

Brainshark (https://www.brainshark.com)
Brainsharkは、デジタルトレーニングとコンテンツを活用して、チームリーダーが営業担当者の販売準備ができているかを確認したり、パフォーマンスを測定することで、セールスの生産性向上を支援している。同社は迅速に作成できるコンテンツ機能や簡単なインポート機能、どこからでもアクセス可能なオンデマンドでのトレーニングを提供しており、ユーザーは、Brainsharkをオンボーディング(新人育成)やコーチング、販売状況に応じた最適なコンテンツの作成、セールスチームが効果的な販売のメッセージングをマスターしたことを確認するための練習などに活用している。
 

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